美山 かやぶきの里へ
お盆は近場で美山町まで行ってきました。
小さな集落にはあたり前のように茅葺き屋根の家々が建ち並ぶ様は遠めからはかわいらしく、
でも歩を進めて間近で見ると野趣あふれる素材と丁寧な仕事がみられ迫力のある建物でした。
ついついディテールの写真が多いのは職業柄ということで。。。
昔の建物や家具などを見ていて魅力的に感じるひとつに、適材適所であること。
この適材適所の語源は伝統的な日本家屋の成り立ちからきていることからもわかるとおり、
素材、形、造りが実によく考えられています。たとえば、山間といえども屋外の照りつける太陽は
同じ。でも、屋根の厚みがおよそ30〜40センチ程度あり、しかも細い茅の束であるので空気層が
断熱効果を高め、屋根裏はちっとも暑くなかったのです。
魅力的に感じるもう一つの理由は、職人さんの心意気のようなものが感じられる装飾。
ものの形というのはさまざまな知恵と工夫と新しい技術を通して進化していきます。
脈々と創意工夫され出来上がった萱葺き屋根の家々はどれも同じように見えますが、
ちょっとしたところで造り手、あるいは住み手の色というものが出ています。
軒先の雨樋の受け材の形だったり、漆喰の笠木の形だったり。
絢爛豪華で雅な仕事にみる職人さんの技術力ももちろん魅力的ですが、
こういった細かな部分にさりげなく魅せる仕事も大事だなあと思います。
人の手でつくるというのはそういうことだと思います。
大量生産では決して表現できないさじ加減ですね。
続く。。。