よせてはかえす波のよう

少し前になりますが、待ち焦がれたMy Bloody Valentine（以下MBV）のライブに行ってきました。

80年代後半から90年代初頭のごくごく短い期間に2枚のアルバムを出し（それ以前の時代のサイコビリーやネオアコな音のアルバムも手元にあるけれどこれはカウントされてないのはなぜ？？）バンドはずーーっと休止状態。僕が聴きだした頃はすでにその休止の時期でしたが、この二枚のアルバムを穴が開くほど（音源はCDですけど）聴いていた。余りにも情報がないので海賊版ビデオ店（ブルーレイでもDVDでももちろんない時代）で一か八かで買ったビデオは音もボロボロで映像なんてほとんど真っ暗でステージは遠くにうっすら見えるという代物で、でもそんなものにも期待して手を出してしまうほど好きなバンドのひとつでした。

その後忘れた頃に新譜が出るらしいという噂を度々聞くもバンドでのリリースはされず。。
月日が流れフジロック08’についに来日！がしかし予定がつかず泣く泣くスルー。

そして2012年夏に単独ライブの知らせが舞い込み、迷わずチケット争奪戦に参戦し見事8ヶ月後のチケットをゲット！
年をまたいで2013年2月6日、MBVを聴き始めて16,7年の年月を経てご対面。

1曲目「I only said」、2曲目「When you sleep」で既に半泣き（笑。
寄せてはかえす波のように会場を埋め尽くす美しいノイズ。そのノイズの隙間にうっすらと、でも確かに聞こえるメロディーとビリンダの声。ジャンルを問わずいろんな音楽を聴いてきたけれど、20歳そこそこから聞き込んだMBVはその中でも一際僕の感情を揺さぶる音楽だなあと改めて気付いた夢のような体験でした。

今回のライブの三日程前に急にオフィシャルウェブサイトで新譜リリースを発表、しかもyou tubeで全曲試聴！もちろんCD版は間に合わない。これまで散々振り回された新譜が、このタイミングでしかもいともあっさりとリリース（苦笑。いやはやケビンシールズよ、あんた最高！

また当日MBV好きがツイッターで大盛り上がりしていたライブ会場全員に配られた耳栓（笑！かなりの音量での演奏のためなんてことでしたが結局耳栓なしで楽しみました（クライマックスは爆音ノイズで服と皮膚がピリピリしてましたが、、）。

そしてようやくCD版の予約がスタート。
中でも今回ライブでやってくれた「new you」という曲、MBVの新たな方向の小さな幕が開いたような印象を僕は受けました。英語訳はわからないけれど、「new you」、直訳すると”新しいあなた”ということになるのかな。もしくは勝手に”再開を待ち待った人たちに新しい世界を体験させるよっ”訳してもいいような。ともかくこの「new you」というタイトルがすごくいいな。楽しみ。

村松英和デザイン

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