村松英和デザインのBLOG

デザインの仕事アレコレと暮らし http://hidekazumuramatsudesign.tumblr.com/

下鴨の家 その3

前回書いていた通り、飾り棚の話です。

以前クライアントからのご要望として

「お知り合いの手作り作家さんの作品を飾れるようなコーナー」

がありました。

ギャラリーだと、取り外しが可能だったり棚が上下移動可能となっていることで作品に対応できるようになっています。ただ今回は住まいであることから、クライアントに四季折々の飾りを楽しんでもらえるような床の間のような棚をご提案させていただきました。

この部分は大工さんからこの家に合った栃の銘木があるとのことからスタートし、紆余曲折した結果違い棚をご提案しようということになりこのようなカタチとなりました。和室ではないので取り付け高さ、寸法、バランスに考慮しつつ現代に合った飾り棚になったのではないかと思います。







ここに使われているのは全て栃材で(吊木の濃い色は柿渋を塗っています)、大小二枚の棚板と壁に突き刺さる角材もあわせて3段の飾り棚となっています。大小二枚の棚はエッジをテーパー処理することで一体感のある丸いシルエットを作り出し、また目立たない棚板裏面には「ちょうな」と「彫刻刀」でナグリ加工されています。他にも表には出てこない仕事がこの棚に詰まっています。大工さんのイメージをこの空間に合うものにしたい想いでまとめ、結果クライアントにも想像以上とおっしゃっていただき良かったなあと胸を撫で下ろしたのでした。

3回に渡り書き連ねましたが、下鴨の家では、”光と風の通り道”をつくることとできる限り「木と土と紙」を適材適所でいかすことだけを考えて計画しています。実は昨日もお伺いしていたのですが、改装前より暖かく(かつ温かく)明るくなったと言っていただきホッとしつつ、ちょっとうれしい帰路につきました。





施工提案:景アート

デザイン・撮影:村松英和デザイン

村松英和デザイン

京都市中京区西ノ京小堀池町6ー6

TEL/FAX:075-811-7075

HP:http://www7b.biglobe.ne.jp/~hidekazooooo/




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