物件さがしちゅう
現在物件探し中のお客さんがいらっしゃいます。
飲食店のための物件なんですが、アドバイスさせていただいる中でちょっと思ったことを。
店舗に限らず、中古のマンション・戸建を探されている方にも当てはまるのですが、通常不動産業者さんに物件を紹介
していただく場合、いわゆる間取り図をご用意されていてそんな中から希望の金額で希望の広さの物件を探されると思
います。気になる物件があれば現地に見に行くということになりますが、空間の良し悪しは決して平面的な広さだけで
ははかれないいろんな要素があります。書き出せばキリのないので今日は”天井高”について。
もちろん、最初に見学する物件を絞り込む段階では先述の通り、不動産業界独特の間取り図をたよりにするわけですが
そこには基本的には高さの情報は入っていません。でも、実際に人が空間で感じる要素にこの高さはとっても大きく左
右されます。よりわかりやすいのは、吹き抜け空間の気持ちよさかなと思います。でももちろん空調が効きづらい等の
デメリットも想定できますが、その気持ちよさはやはり魅力的に感じる方も多いでしょう。では、天井は高ければ高い
方がいいかと言われると一概にそういい切れません。その空間の用途を考えると低めの天井の方が落ち着く方が適して
いる場合もあります。
また、同じ天井高さでも天井の形状でも感じ方が異なります。
上の2軒のリノベーション例を見ていただいてどちらが天井が高いかわかりますか?
実は緑丘住宅と新千里の家の段差の手前の天井高さは2,500ミリちょっととほぼ同じなんです。
緑丘住宅はところどころに梁、もしくは配管が通っているため天井から出っ張りがある分、少し低い印象に見えるかと
思います。実際にそれぞれの空間を体験すると、緑丘住宅は落ち着きのある印象で新千里の家は開放感を感じることが
できます。もちろん視線の抜け、照明効果、色、部屋の形状、その他様々な要素で空間の印象は変わります。
逆に言うとそれをうまく組み合わせれば、低い天井も高く感じられたり、高い天井でも落ち着きのある雰囲気にでも
できるわけです。
とは言うものの実際に物件を探す際にはやはり天井は高いに越したことはないです。なぜなら高い天井の空間には
低い天井をつくることはできても、低い天井をより高く感じさせるにはやっぱり限界がありますからね。
村松英和デザイン
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